「って・・・ロイっ」

 

中央のクリスマスパーティに出てきたものの、

いまはこんな状態。

 

ほろ酔い気分の皆様は放っておいて、

今いる場所は会場とは一つ離れた別室。

 

会場準備のために使われていた部屋なのだろう。

イスやテーブルなど補助の置き場となっていた。

あまり大きくはない部屋に、乱雑に置かれた備品。

その隙間を縫うようにして入り込んでいた。

 

掃除はされているらしく、

乱雑ではあったが、ドレスが汚れる心配はなさそうだ。

 

 

オレンジ色のドレスの胸元に夫の手が伸びる。

ピクリと体をくねらせるも、

膝の上に抱き込まれる形で座っているので、

腰に回された腕は離されることはなかった。

 

「・・・エディを他の男の目に映させるのはもう限界だ」

 

近くなった耳元で、

囁くように夫の声が聞こえる。

くすぐったくなったが、自分も思ったことを言ってみる。

 

「ロイだって・・・いろんな女に見られてた・・・嫌だったんだから」

 

フンと拗ねたように言ってみれば、

夫はくすくすと笑って、それでも強く抱きしめながら、

「それは光栄だね」と耳元で返した。

 

 

「本当なら、こんなドレスよりも似合うデザインがいいのだけど、

 それではサービスしすぎだろう?」

 

胸から肩をなで上げられて、再び体が震える。

恐怖からではないその震えは体の芯からのもの。

 

「・・・ロイになら見せてもいいんでしょ?」

 

部屋の暗さに溶け込んでいる黒い瞳を見つめながら、

挑戦的に発したその言葉に、夫は一回目を大きく開いてから、

すぐにいつもの笑顔になった。

 

「まったく。可愛いことを言うものじゃないよ。

・・・我慢する気もなかったけれどね」

 

首下にキスをしてから、2人の唇を合わせる。

初めは浅いそのキスも段々と深くなり、

静かな空間をその音が満たすと、頬は赤く熱を持った。

 

 

 

 

トロンとした金色の瞳が見上げてくる。

まったく可愛らしい妻を持つと大変な事が多い。

ただでさえ、その身辺には妖しい害虫が多くなるし、

こんなに無防備に可愛いことを言ったりもする。

 

部屋の隅に置かれたソファーまで抱いて移動し、

そこに横たえると彼女を跨ぐようにして上に覆いかぶさる。

 

白いソファーはホワイトクリスマスの様相で、

雪の中にいるように見えた。

 

それでもオレンジ色と彼女の持つ金色の色彩は、

とても鮮やかで、心を暖かさが占めていく。

 

腕していた手袋を外し、キスを贈り。

そして、彼女を隠していたドレスを脱がしていく。

その肌は他者に見せることなど許せない大切な宝で、

クリスマスプレゼントだろうと何だろうと見せるつもりはない。

 

 

白い肌は、少しだけ赤く色づき始め、

ソファーの白さとは違う熱を感じさせる。

 

 

「エディ・・・綺麗だよ」

 

髪を梳くようにして、撫でながら、

額にキスをする。

 

このままでは風邪をひいてしまうかも知れないので、

すぐにでも暖めあわなくてはと思う。

 

白い双球の頂に主張し始めた赤い実を、

指の腹で押さえるようにして撫でる。

 

「あっん・・・」

急な愛撫に驚いたのか、ビクリと体を揺らすので、

ゆっくりとした動きにかえて、

包み込むようにしてそれを揉む。

 

柔らかさを堪能しながらも、

その硬くなったものを弄り、口に含む。

 

「ひゃっ!・・っん・・・」

 

胸に与えられる刺激に大きくなった声を抑えようとして、

腕で自分の口を押さえている。

 

どうやら、隣の会場にいる者達のことを気にしているようだ。

たしかに騒いでいるし、頑丈なつくりのホテルであるので声が漏れることはないと言っても、

声を高くするのは恥ずかしいらしい。

いつもよりも頬が赤いのはそのためか。

 

(・・・って、可愛いよな)

 

そんな羞恥に耐えようとする姿さえも可愛らしく、

懸命に答えてくれようとする姿は愛しい。

 

 

けれど、悪戯をしたくなるのも男心。

 

「エディ?下はどうなってるのかい」

 

胸に伸びていた手を下肢に伸ばす。

すでに力をなくしていた足のあいだに滑り込ませ、

指で開いた。

 

開くと、トロリとした液が滴り落ち、

指を誘い込むようにして濡らす。

 

「あぁ、もうこんなになってるよ」

 

「やっ!」

妻の羞恥に合わせて、こちらもヒソヒソと声を出す。

どうやらそれがさらに煽っているらしい。

 

滴る蜜液に促されるままに、

指を秘所に挿入する。

 

「あっんっ!!」

 

「エディ・・・ばれてしまうよ」

 

キュンと膣が閉まり、

指を締め上げるが出てしまった声に驚いたようにして再び手を口に当てる。

 

クチュリと音がするのを聞かせながら、

指の数を増やしていく。

 

「エディのここがこんなにイヤラシイのは、

 音を聞いてもらえば分かるかもしれないね」

 

「やっやんっ!そんなの・・・・ロイだけなんだから」

 

フルフルと首を振りながら、

動かす指に合わせて喘ぎ声を上げる。

 

「可愛いことを言うね。・・・何が欲しい?」

 

「あっふぅ!ひゃっ・・・あっ」

 

指の刺激に腰が揺れて、

上手く声が出せないようだ。

それでもその口から求めてもらいたい。

 

「なに?何が欲しいかいってごらん」

 

「あっっ・・・ロイ・・・のがいいのっん!」

 

 

腕を首に捲くり付けるようにして伸ばし、

体を密着させてのお願いは耳元で確かに届いた。

 

本当に妻はどこまでも自分を溺れさせるのが上手なようだ。

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舞台裏