あぁもうっ!!!

 

 

嫌な事は重なって、作ろうとした雪だるまは上手くまとまらないくせに、

雪だるま式に増えていくとはこの事で。

 

しなきゃいけないことは山ほど。

えぇえぇ、本当に山のよう。

なのに出来る事は塵のよう。

人差し指のその先で、ひらりとすくってしまえるくらいに僅か。

 

 

 

あれをして、これをして。

あぁぁ、そういえばあんなこともして。

それはもういいかなぁ・・・やっぱ駄目?

駄目なのか?

 

 

諦める事すら許しはしない。

止めるというなら初めからしなければいいものを。

くつくつと笑い声。

 

 

気を張って、気を張って。

続けていたことを睨みつけるようにして。

堪らず溢れそうになる涙を、奥歯をかみ締めて耐える。

 

 

泣くな。

泣くなってば、あぁ溢れるな。

 

 

泣いたら溜めてきた今までの経験とか、知識とか、

そんなものまで流れてしまいそう。

 

心底の鍵の付いた頑丈な宝箱に守られたそんなもの。

けれど、箱は底抜けで、開けても何も無いかも知れない。

 

守る姿はどんなに滑稽で?

 

泣く事もできない。

 

 

 

きゅっと握り締めたその腕に、

つかめるモノなんてきっと極僅か。

血が滲むように必死に握ってもそんなもの。

 

 

あぁなんて。

なんて世界は狭量だろうか。

 

 

 

こんな願いなんて、星が流れるよりも短くて、

日が昇るより簡単なことだろうに。

 

世界を包む一周の途切れることのないサイクルの中で、

毎日毎日、飽きるように繰り返されるそれらを横目に、

私の願いなんて叶えてくれない空を睨む。

 

 

あなたは神に選ばれました?

信じていない神が、祝福をと手を伸ばし、

キレイなキレイな真っ白な羽根を一片溢せばいい。

 

これで望みが叶いますよ?

貴女の積年の願いが叶うのですよ?

 

 

はははっここまで落ちぶれて、

そうして這いつくばって生きる事まで捨てるのか。

 

 

笑顔の下で高く口の端を歪めて笑うあの顔が浮かぶ。

 

 

一度の過ちすら決して許す事のない。

人の願いを簡単に叶えたりしない。

努力の先の幸福でさえ、神の御心と言われなければ気のすまない。

 

 

そんな傲慢なキレイな存在が。

高く低く笑っている。

 

 

 

死を選ぶことは出来ない。

 

あの仮面を被った神は手をこまねいてこちらに導く。

 

罪を犯した目を捨てろ。

罪を犯した腕を捨てろ。

 

そうして神の国にいらっしゃい?

あぁ、罪で汚れている方は願い下げ。

 

 

死を選べない。

貴方のいない世界を選びたくはない。

 

 

こんな世界でも。

どんなに荒れて汚れて、朝日の怖い世界でも。

 

あの青天の蒼よりも眩しい蒼があるのなら。

あなたの腕をつかめるならば。

私はここにいたい。

 

 

 

 

いさせてください。神さまお願いです。

ロイエド子

消える約束